ランニングとシンスプリント〜原因はどこにある?〜

シンスプリントってよく耳にするメジャーなケガ

ほっといたら治るやって思ってるのは大間違い

ひょっとしたら疲労骨折の1歩手前ってこともある

原因はいろいろあるけど

この記事ではシンスプリントについて巷でよく言われてることを整理して欲しい

シンスプリントって?

  • medial tibial stress syndrome(MTSS)
  • 脛骨過労性骨膜性障害

って呼ばれることもある障害

ふくらはぎに起こるスポーツ障害の50%がシンスプリントで、スポーツ選手はよくかかりやすい

しかも

ほとんどの種目で両側例が約50%

も存在するんですね

16歳前後で一番発症しやすくて、高校1年・大学1年・社会人1年目の順に多い

練習量が一気に増えるのが原因の1つにあるとは思うけど

ランニングは下半身に体重の3~8倍の負担を常にかけてるってことを常に心にとめとこう!

しかも、16歳前後で多いってまさに疲労骨折と同じ年代だからね!

若年女性のスポーツ障害の解析より

だから軽く考えないで、痛みが続くようなら病院へ!

症状

  • 痛み
  • 腫れ
  • 熱っぽさ
  • 押すと痛い

運動をするとふくらはぎの内側に「鈍くて、ズキズキ」するような痛みが広い範囲に続く

<初期の症状>

  • 運動し始めに痛みが出て、しばらく走り続けることによって痛みが軽くなる
  • 運動の後半に痛みが出る、休んだら痛みが軽くなる

<悪化すると…>

  • 痛みの程度が強くなったり、出る頻度が多くなったり、じっとしていても痛みが出るように…

原因

ヒラメ筋・長趾屈筋・後脛骨筋といった

ふくらはぎの後ろ側の筋肉やそれを覆う筋膜に引っ張られて、すねの骨膜が微細損傷してしまって起こる

  • ふくらはぎの後ろ側の筋肉の伸張性が低下してる
  • 足部過回内
  • 足部疲労
  • 扁平足(アーチ低下)

走ってるときに衝撃を吸収する能力が低下してることが前提にある

そういった状態で

ランニングやジャンプなどオーバーユースだったり、動作中のアライメント異常が原因で起こる

つまり!

シンスプリントはオーバーユースによって起こる疼痛症候群なんですね。

疲労骨折との鑑別

脛骨疲労骨折との鑑別がすごい大切なんだけど

厄介なことに初期にはレントゲンでは変化が見られないことが多い

急激な痛みが出たときはそのときにレントゲン変化がなくても

10日前後に再検査することが必要ですね。

シンスプリントとの症状の違いは

  • 疼痛が急激に出現すること
  • 疼痛部位が限局している

ランニングとシンスプリント

このようにシンスプリントが起こる原因は1つではなくて、いくつも原因があります

シンスプリントと陸上の関係を調べた報告もたくさんあって

大きな原因としてはやっぱり、

  • ランニング動作の立脚中期に下腿・踵骨角の外反が大きいこと
  • 足関節の背屈制限を足関節外反や足部回内で代償していること

これはランニング動作の接地時に足関節屈筋群が引き伸ばされて、その筋肉を包む筋膜も伸ばされて、損傷が生じちゃうから

シンスプリントと静的アライメント

上で説明した内容を裏付ける研究は多い

シンスプリント既往者の膝関節屈曲位での足関節背屈角度はそうでない者に比べて有意に低下(膝屈曲位で疼痛群では38.2±5.1°・対照群では41.8±5.9°)(伊藤ら,2005)

 

MTSS群はアーチ高が有意に低く、踵骨角度が有意に回内。また前足部が有意に回外。内側縦アーチと舟状骨高の低下(秋山ら,2015)

 

シンスプリント既往者はジャンプ負荷後に腓腹筋内側頭の筋硬度が有意に高い(伊藤ら,2005)

その深層にはヒラメ筋・膝窩筋・長母趾屈筋・長趾屈筋・後脛骨筋筋があるし、影響がありそう

ヒラメ筋なんて腓骨筋・膝窩筋・後脛骨筋・長母趾屈筋と連結してるしね!

腓腹筋内側頭・外側頭、ヒラメ筋、腓骨筋群、前脛骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋、後脛骨筋の弾性率では、後脛骨筋のみがシンスプリント既往群は非既往群間に対して有意に高値(佐伯ら,2016)

 

MTSS(−) は制動期に足関節内反モーメントを発生し、推進期へ向かって外反モーメントに切り替えながら蹴り出していた。一方、MTSS(+)では制動期における足関節内反モーメントの発生が小さかった(持田ら,2009)

 

シンスプリント群の足圧中心軌跡は、対照群に比べ直線状で足部内側にある(木下ら,2013)

 

MTSS(+)群では股関節屈曲・SLR・股関節内旋可動域が有意に大きい。MTSS(−)に比べて支持期中の股関節が内旋位、屈曲位にあり、身体所見が影響している可能性(持田ら,2009)

一方で足部・足関節の機能面に有意差がなかったとする報告もある

レッグヒールアングルや走行時の下肢のダイナミックアライメント、アーチ高率と下腿内側部疼痛発症との有意な関係性は認められなかった(伊藤ら,2005)

 

MTSS群とcontrol群間に静的アライメントとROMには有意差が認められなかった(幸田ら,2016)

シンスプリントと動的アライメント

静的アライメントで有意差はないとする報告があるとしても

実際のランニングを見て初めて分かることは多い

例えば静的アライメントと可動域に有意差がないとした幸田らは

疾走動作のmid-supportからtake-off間にて、足関節回外角度の増加と足部外転モーメントの減少から、下腿内側筋群の活動の増加が観察され、MTSS群は足部回外筋群が過活動となっている可能性

について言ってるし

伊藤らは10個の項目を調べた結果

対象者が10因子のうち5以上保有している群と、4以下保有している群で比較した場合には、有意差が出た

としている。

何回も説明してきたけど、シンスプリントの発生要因は1つじゃない

原因追求のためには複合的に考えていく必要がありそうですね

まとめ

  • 16才前後で起こりやすくて、疲労骨折が起こりやすい年齢に近い
  • アーチが潰れてるなど機能面に問題があることが多い
  • 身体が硬い人にも起こることがある
  • 静的アライメントに異常なくても、いざ走ってみると原因が見えてくることがある

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ABOUTこの記事をかいた人

理学療法士 and PRピラティスインストラクター and 陸上教室トレーナー! 病院は急性期総合病院でスポーツ・整形疾患を中心にリハビリをしています!