腕振りの実際と肩甲骨トレーニング

「ランニングと腕振り」シリーズもいよいよこの記事で最後

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肩甲骨が使えていないと言われたら|一度頭の中でこの意味を整理してみましょう|

腕振りとランニングの関係性

 

腕振りの意味

腕振りの目的
  1. 上半身のブレの補正
  2. 地面から受ける力を大きくすること

腕振りの目的は、以前の記事でも書いたようにこの2つ。

想像してみてください。走ってるとき腕をダラ〜ンと垂らすと、下半身の動きに合せて体幹がブラブラ動き出して安定しないですよね?

前に進みたくても上半身があっち行ったり、こっち行ったりするから進行方向が定まらない…

これだけでも腕振りの大切さは分かります

つまり腕振りは、 下半身の運動の衝撃吸収の働きがあって、かつ走る速さにも関係 しています

 

腕振りとピッチ・ストライド

 

肘の角度とランニングフォームには関係があります。

  • 高橋選手のような ピッチ型タイプなら肘はたたみ 
  • 野口選手のような ストライド型では肘はやや伸ばす 

と相性が良いです

 

腕振りと力学

F(力)=m(質量)×a(加速度)

授業で、こんな公式を見た記憶はありませんか?

例えばラグビーやサッカーなどでの当たりの強さも、この考えで説明できます

選手の体重が重いほど、猛スピードで突進してくるほど、当たりのパワーは強くなります。

同じ体重でもスピードが速い方が、同じスピードでも体重が重い方が有利。考えてみれば当たり前のことですよね。

 

実は腕振りでも一緒。

つまり腕振り動作には、 腕振りに関わる身体の部位の重さと、腕振りの速さ が関わっています。

話は少し戻りますが、腕振りの役割は下半身の運動の衝撃を吸収し、身体の連動性を高めること。この能力が働くには下半身の動きと同等のエネルギーを腕振りで発揮する必要があります。

 

ですが、脚と腕では太ではさが全然違います。筋肉量が違いすぎます。

1本の脚の重さはざっくりと体重の約1/4。それが常に高速で前後に動き回ってるから、腕でそれと同じくらいのバランスを取らなければいけない。

かと言って腕に無意味に筋肉をつけることはランナーにとってはデメリット…。筋肉を付けること以外でカバーしなければなりません。

 

以上のことから、腕振りの質を高めるポイントは2つ

腕振りの質を高める2つのポイント
  1. 肘をたたみ、腕の長さを短くする
  2. 動きの出発点を身体の中央に持ってくる

 

短い棒と長い棒をそれぞれ振ってみてください。長い棒なら振った直後のスピードは遅く、スピードがつくにつれ早くなります。短い棒なら振った直後から軽く、また早く振ることができます。

肩甲骨を腕振りで使えれば、肩甲骨の重さやその周りの筋肉の重さを利用することができます。

だから、腕振りの質を高めるに俗に言う『肩甲骨を使え』になるんですね。これなら脚のパワーにも負けることはありません。

 

肩甲骨が使えるメリット
  1. 腕振りが力強く、しなやかになる
  2. 体幹の筋肉をより使えるようになる
  3. 全身の連動性が上がる

うーん、良いことしかないですね笑。

式に当てはめると、下のような変化が起きます

力↑=質量↑×加速度↑

肩甲骨が腕振りに動員されるので、❶肩甲骨の質量・❷肩甲骨周囲の筋肉の質量が追加されます。

身体のセンターからの距離では肩甲骨の方が腕よりも近いので、当然動きも軽く加速しやすい。

下半身の運動量に負けない腕振りの出来上がりです。

 

腕振りトレーニングの実際

 腕をたたんだ状態では、腕を軽く・速く振ることができるのでピッチ型に有利 

 

 腕を伸ばした状態では、腕を力強く振ることができるのでストライド型に有利 

どちらであっても肩甲骨を動かすことに変わりはありません。

Scapula push up

普通の腕立て伏せだと肩甲骨は動きづらいうえに、走るときに重要でない腕の筋肉ばかりを鍛えることになります

Scapula Push Upは肩甲骨を動かす腕立て伏せなので、肩甲骨の可動域トレーニングにもなるし、体幹トレーニングにもなります

腕絞り

腕を地面につけてねじねじすると、身体の重みが肩甲骨に直接伝わってきます。

そうすると肩甲骨やその周りの筋肉に刺激が入りやすくなるので、動きが分かりやすくなります。

スパイラル

手のひらを常に天井に向けて腕をくるくる回してみましょう。背骨も大きく動かします。

この動画が簡単に感じ出したら、片脚立ちや手のひらにボールを乗せて行うなどしてレベルアップしていきます。

実際に腕振りをして、肩甲骨の動きを確認してみよう

腕振りをするときの 手の向きがポイント です

おそらくほとんどの人は、走るときに手のひらは内側、手の甲は外側を向いているはずです。

その向きから手のひらを70°くらい地球に向けてみましょう

 

  1. 手のひらを内側、手の甲を外側にして振ってみる
  2. 手のひらを70°ほど地球に向けて振ってみる
  3. 1と2での肩甲骨の動きの違い、全身に伝わる動きの違いを確認してみる

手順は3つです。

手のひらを地球に向けた方が、肩甲骨が動く感覚が出ると思います。加えて、下半身に動きが伝わって身体が大きく動きだすのも実感しやすいですよね

まとめ

  • 腕振りは下半身からの衝撃を吸収する能力と、推進力を上げる能力がある
  • 肩甲骨から腕が振れると、腕を素早く振ることができる
  • 下半身のエネルギーに負けない腕振りをするためには、肩甲骨が必要
  • 普通の腕立て伏せは、ランニングに活かせない

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ABOUTこの記事をかいた人

理学療法士 and PRピラティスインストラクター and 陸上教室トレーナー! 病院は急性期総合病院でスポーツ・整形疾患を中心にリハビリをしています!