ランニングフォームを全体から考えてみる〜腰が低いフォームの4つの要素〜

好きな選手のマネをして走ったりは1回はしましよね笑

マネはしなくとも、今どんなフォームなんだろうって考えながら走ることはありますよね。

足をどこについて、足の接地はこうで、腕振りはこうで、なんてふうに。

一方で、考えながら走ってたら余計にチグハグなフォームになるときありませんか?

腰が低いフォームの何がいけないのか本質がわかれば、意識すべきポイントも見えてきやすいですよ

ランニングと歩行の違い

 

  • 歩行とランニングの共通点=前方方向への重心移動動作であること
  • 歩行とランニングの違い=ランニングは両脚が地面に着いてないときがあること

ランニングは片脚ジャンプの連続。だから、ランニングは歩く速さが増えた延長線にあるって考えると分かりやすい

競歩のルールは「歩」なので、必ず左右どちらかの足は地面に着いてないとダメですよね。

遅い歩行

例えば人混みの中や自分の部屋を歩くとき、足首で地面を強く蹴ったり、膝を大きく曲げ伸ばしすることはありません。

つまり、 股関節の前後への動きだけで歩行は完成してます 

早歩き

前の人が遅くて追い越したい、時間が間に合わないけど人前で小走りするのは恥ずかしい

そんなときの歩き方

自然と膝が曲げ伸ばしされたり、足首で地面を蹴ってしまいます

腕振りも早くなって、上半身も勝手に動いてきてませんか?

遅い歩きと比べたときに、横から見た股関節の動きに加えて

人を上から眺めたときの 骨盤だったり上半身の捻り動作が加わってます 

ランニング

上半身や骨盤の捻れの動きがより強調されてきて

両足が地面から浮く瞬間が出てきます

このように順序立てて考えると、ランニングにはいろんな方向に動かせる可動性が必要

柔らかい体がランニングをしやすくすることがわかります

 身体が硬いとその中でしか動かすことができないから、その状態で月に何百キロも走ったら身体に 負担がかかりやすい のはイメージしやすいですね

ランニングのフェーズ

 

上の記事で書いてるように、ランニングには大きく2つのフェースがある

 

理学療法 34巻2号 2017年2月「陸上競技:走動作を中心に」より

 

support phase(支持期)
  • foot strike ⇨ 足が地面に着くとき
  • mid support ⇨ かかとが地面から離れるまで
  • take off ⇨ 足先が地面から離れるまで

 

recovery phase(回復期)
  • follow through ⇨ 足先が地面から離れて後方への運動が止まるまで
  • forward swing ⇨ 股関節がもっとも曲がるまで
  • foot descent ⇨ その後に足が地面に接地するまで

 

このようになってます

そして!

 
  • 支持期の前半はスピードを減速させるフェーズ
  • 支持期の後半はスピードを加速させるフェーズ 

これをしっかりと覚えててください

 

スピードを上げるための要素

疾走スピード=ピッチ×ストライド

タイムを上げたいなら、ピッチとストライドを高めることが大切

でも、この2つは反対の性格の持ち主なので、バランスよく高めていくことが肝心

 

 
  • ストライドが広くなると、身体重心の上下動が大きくなる
  • ピッチが多くなると上下動は小さくなる
  • ストライドが大きくなると衝撃が増え、筋肉や腱への負担が増す  

 

長距離ランナーの特徴

スプリンターと比較して、follow-throughで足が後方へ移動する量が大きい

これはつまり身体を支持してる脚で身体を前方に押し出してるんですね

スプリンターと比較して、forward swingで股関節が一番曲がるときの角度が小さい

 

前に振り出した脚の膝下が接地直前に振り戻されることによって、膝下が地面に対して直立になるように足が接地されてる

つまりブレーキがかかりにくい接地の仕方ってこと!

 

腰が低いフォームを解説!

分かりやすいように腰が低い人のフォームを絵にしてみました

  1. 上半身がくの字になってる
  2. 骨盤が後ろに下がってる(後傾してる)
  3. 膝が曲がってる
  4. 足の接地が上半身よりも前すぎる

この4つが腰が低いフォームの特徴。1つ1つ説明していきます。

 

上半身がくの字になってる

 

くの字になっているのは普段の立ってる姿勢の影響があります

くの字の何がいけないのか

それは呼吸しづらいことにあります

 

くの字で呼吸がしづらくなる3つの理由
  • 肺が圧迫されて広がらない
  • 胸周りがつぶれて、肋骨が広がらない
  • 呼吸筋である横隔膜が動きづらい

 

長距離ランナーにとって酸素はエネルギーの源!

その酸素が入ってきづらいなんて、しんどいに決まってますよね

 

骨盤が後ろに下がってる(後傾してる)

背骨と骨盤は繋がってるので、くの字になってると自然と骨盤は後傾します

 後傾してしまうと股関節を後ろ側に伸ばせなくなってしまいます 

逆に言うと前傾なら股関節を後ろに伸ばしやすい

 

後ろに股関節を伸ばせないと起こってしまうデメリット
  • スピードを加速させる支持期後半でスピードを出せない
  • スピードを出そうと足首の蹴り返しが強調される
  • ストライドが広がらない
  • 身体の前側で股関節を動かすフォームが定着して、後ろ側に動かせる可動域が低下
  • 足が極端に上半身より前に接地される
  • 膝が曲がった状態で接地してしまう

 

ざっとこれくらいはある

 

2番目の「足首の蹴り返しが強調される」に関しては勘違いしてる人が多いかもしれません

基本的にスピードを出すときに、 mid support ~ take offでは足首の蹴る動きはあまり出ません 

早歩きでは足首で蹴る動作が出ますが、走ると出なくなるんです

アクセル筋はお尻と裏太ももです

走ってるとき股関節と足関節はトレードオフの関係にある

 

膝が曲がってる

 

踵接地なら多少は曲がってるんですけど、極端に曲がってる場合

それだけで膝にはすっごい負担がかかってます

 

より大きく曲げた状態で膝を使うことは、膝にすっごい負担をかけます

 ランニング中に膝にかかる負担は体重の3~8倍 と言われてます

僕が60kgくらいなので、最低でも180kgの負担が膝にきます。片脚にです!

その状態で10キロ、20キロと走り続けたら、膝に良くないんだなぁってのは簡単にイメージできます

 

足が上半身よりも前すぎる

足を身体より前方で接地することで起こる3つのデメリット
  1. 支持期前半の移動時間と距離が長くなる
  2. 緑矢印の方向に身体が回転しようとする力が生まれて、ブレーキがかかりやすい
  3. 前太ももがパンパンになりやすい

 

勘違いしないでほしいことが、接地するときのかかとが過度に前に出てるのが良くないってこと

「じゃあ、真下に着こう!」なんて発想もちょっと待った

長距離ランナーの特徴でお話したように

前に振り出した脚の膝下が接地直前に振り戻されることによって、膝下が地面に対して直立になるように足が接地されてる

一旦脚は前に伸びてます。その後に振り戻すことで足を手前に接地してます。

もし、何も考えずにそのまま足を手前に接地するとブレーキにしかなりません。下の図のような感じです

 

前方への動きの中で接地すると、地面から受けるエネルギーは赤矢印の方向にかかります。完全にブレーキです!!

 

だから一度振り出された膝下を身体側に戻して、結果として身体に近いところで接地されるのがGood

赤矢印も進行方向になりますね

長距離走の記録向上に伴う走フォームの変化は、身体合成重心高が高い位置へと推移した(是石,2013)

 

水平走速度の低下をもたらすと言われている支持期前半局面における移動距離と時間が短縮された(是石,2013)

「タイム上げたいなら腰を上げろ!!」

学生時代に良く言われてました。間違ってなかったんですね(笑)

全身を描いた絵の緑矢印も絵を見てもらうと後ろに行こうとする力が生まれてるのが分かりますよね?

ブレーキですよブレーキ

この流れでアクセルをふかすために、膝を曲げる運動や足首で地面を蹴る動作が強調されてしまいます

もう悪循環!

前太ももパンパンになっちゃいます

トップランナーの走りを見てみよう

見よう見ようと思っても、その機会がないこと多いと思うので、チラッとのぞいてみましょう!

最後のスパートは本当に興奮します

まとめ

  • 同じ走動作でもスプリンターとランナーでは特徴が違う
  • 腰が低い人は上半身がくの字・骨盤後傾・膝が曲がってる・足の接地が上半身より前すぎる
  • 腰が落ちがフォームは呼吸しづらい・ストライド伸びない・推進力上がらない・衝撃増加

腰の落ちたフォームは肉離れやアキレス腱炎の原因にもなります

膝優位から股関節中心の動作に切り替えることが大切なんです

それが腰高のフォーム

脚の付け根は股関節なので、そこを使えばより馬力のある・ケガしにくいランニングフォームになります

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ABOUTこの記事をかいた人

理学療法士 and PRピラティスインストラクター and 陸上教室トレーナー! 病院は急性期総合病院でスポーツ・整形疾患を中心にリハビリをしています!