ランニングフォーム〜かかと接地 vs 前足部接地〜

『フォアフットだと速く走れる』、『足を体の真下で着いて走ろう』

ドラマやネットなどで、フォアフットについて取り上げている場面をよく目にしますが、実際のところランナー全員にとって良い走り方なのでしょうか?

実際に試してみて、ハマる人もいれば当然ハマらない人もいると思います

この記事では、ランニングフォームについて掘り下げていきたいと思います!

ランニングのフェーズ

僕は理学療法士という仕事の中で歩行分析をよくしています

歩行の中には

  • 足が地面に着くとき
  • 片脚だけで身体を支えるとき
  • 地面を蹴るとき

などいろんなフェースがあります。

 

歩行がそうであるように走動作にも、当然フェーズがあります

理学療法 34巻2号 2017年2月「陸上競技:走動作を中心に」より

 

走動作には2つのフェーズがあります

走動作の2つのフェーズ
  1. support phase(支持期)
  2. recovery phase(回復期)
 support phaseは足が地面についているとき 

 

 recovery phaseは足が地面から離れているとき 

 

ここからさらにsupport & recovery phaseを3つずつに分けます

 

support phase
  1. foot strike ⇨ 足が地面に着くとき
  2. mid support ⇨ かかとが地面から離れるまで
  3. take off ⇨ 足先が地面から離れるまで

 

 

recovery phase
  1. follow through ⇨ 足先が地面から離れて後方への運動が止まるまで
  2. forward swing ⇨ 股関節がもっとも曲がるまで
  3. foot descent ⇨ その後に足が地面に接地するまで

 

実際には、スプリンターとランナーでも特徴が異なってくるんですが、今回はランナーの走り方に絞ってお話します。

 

前足部接地の何がいいの?

  • 長距離に強いアフリカのランナーの多くが前足部接地だった
  • テレビでそんなこと言ってた
  • スピードを出すにはそれが良いはず
  • トップランナーはたいがいそうでしょ?

 

正直、このあたりの曖昧な理由で取り組む人が多いんだと思う

確かにスプリンターがかかとから着くことはないでしょうし、長距離のトップランナーの中にそのような人もいます

でも!

  • 今のあなたにその走り方がフィットするか
  • パフォーマンスが向上するか

は別問題で,むしろフォームが崩れてケガするリスクさえ出てきます

では、これから順を追って踵と前足部接地の関係をみていきましょう

 

ランニング中のフォーム

最初に言います

長距離ランナーの約8割は踵接地です!

「っえ?!」と思うかもしれません

「だって、俺だってスパートのときとか踵ついてる感じしないし!」と思ってるかもしれません

そうなんですよ!実は、そこにカラクリがあります

実は レベルが高いランナーは、同じレース中でも走りわけができてるんです 

 

熟練者は各走速度に応じた接地方法で走行し、未熟練者だと走速度に応じた効率の良い接地が行うことができない(高橋ら,1999)

 

レース中にずっと前足部・中足部接地だった人は12.1%、後足部接地だった人は74.2%、途中で接地が変化した人は13.7%(後藤ら,2018)

だから、前足部接地が良い!って思うのは危ない考えなんです

しかも

キロ4分までのペースなら、かかと接地の方がランニングの効率性が良い

前足部接地は後足部接地と比較して、接地時の衝撃が小さい(Daniel E.Lieberman,2010)

など、これだとこうなる!っていうのは本当は誰も分からないんです。

 

むしろ

疾走速度と足の接地角度は関係している(中雄ら,2014)

 

というように、 その人が100%中のどれくらいのスピードで走っているのか で考えた方がスッキリきます

 

パフォーマンスとケガのリスク

前足接地・後足部接地ともに接地時間と記録に有意な正の相関がある(後藤ら,2018)

このように記録との関係性では前足部接地の方が有利なようですが

5000mの記録結果と足の接地角度の間には傾向がみられなかった(中雄ら,2014)

こんな報告も。

大事なことは両報告が対象とした選手のレベルです。

つまり、競技レベルが高ければ接地方法と記録に関係性が出てきますが、高くなければ関係ないよってこと。

ちなみに後藤らの報告では5000mが14分台〜17分以降までの選手がいて、中雄らの報告は15分半〜16分半くらい。

 

加えて、フォーム修正にはリスクがあることも分かってください

 

接地方法と怪我のリスク
  • 前足部接地ではシンスプリントやアキレス腱炎など足首周りに負担がかかりやすい
  • 後足部接地では膝に負担がかかりやすい

 

走り方によって負担のかかりやすい部位は異なってきます。

だから、無理なフォーム修正はケガの原因にもなりかねません。

 

結局どの走り方がいいの?

競技歴が少ないほど、ケガの発生リスクが高い

これは分かりきってること。

現在の自分の競技レベルや競技歴を把握して、そこに見合ったフォームを選択するのがベスト

あるいは専門家に今のフォームを見てもらって

「どの部分を改善すれば、今のフォームを崩さずにもっと楽に走れる」というアドバイスをもらえることが一番理想ですね!

まとめ

  • かかと vs 前足部接地では踵接地の人が多い!
  • 競技レベルによって接地とパフォーマンスの関係性は変わってくる!
  • 前足部接地では足首周りにケガをしやすい!
  • 踵接地では膝に怪我をしやすい
  • 競技レベルに見合ったフォーム選択を!

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ABOUTこの記事をかいた人

理学療法士 and PRピラティスインストラクター and 陸上教室トレーナー! 病院は急性期総合病院でスポーツ・整形疾患を中心にリハビリをしています!