野球選手に意外と多い腰痛 ~評価と対処法~

野球といえば肩や肘の怪我!!というイメージが多いと思います。

もちろん肩・肘の痛みは選手が訴える症状の大半を占めるものであるとは思います。

しかし!!病院に来院される選手や、スポーツ現場で必ずといってもいい程診る症状として腰痛があると思います。

個人的には肩・肘の症状の次に多いような印象を受けます。

腰痛になってしまうと投球、打撃、ダッシュ等さまざまな場面で動作を制限されることが多くなります。重度の場合は骨にも異常をきたし長期の離脱を余儀なくされることもあります。

学生、プロ問わずさまざまな年代で生じる腰痛に対して、今回その原因・種類・評価・治療・考え方を示していきたいと思います。

  1. なぜ腰痛が起こるの?
  2. 野球選手に起こる腰痛の種類は?
  3. 腰痛の評価
  4. 改善方法
  5. まとめ

なぜ腰痛が起こるの?

原因として考えられることはその競技特性である。

投球や打撃といった野球の動きは下肢からの運動連鎖を利用しエネルギーを伝達することで力を発揮していくものである。

その際、股関節・体幹(胸郭・肩甲帯)の回旋運動が非常に重要な要素となる。それらの部位に機能低下が生じると代償的に腰椎の伸展・回旋が強くなり腰痛につながっていく。

また、野球における投球や打撃は一方向への回旋運動を繰り返す非対称的な動作であるため、アライメントの非対称性が生じることが多い。

野球選手における腰痛の種類は?

野球選手の腰部障害には以下の疾患を呈することが多い。

  • 腰椎分離症
  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 非特異的腰痛

腰痛の評価

【評価項目】

  • 触診(筋緊張の部位の確認)

身体各部位のどこに筋緊張があるかをまず確認する

その結果からどこが過剰な活動を起こしているのか、または委縮し筋活動がうまく行えていないのかを確認していく。

筋緊張が出る部位として多いのは

大胸筋、小胸筋、僧帽筋上部、肩甲挙筋、腰部起立筋、腸腰筋、大腿四頭筋

があげられる。

  • 圧痛 

腰部の中でその部位(筋・関節等)に症状を認めているのかを確認する

当然ではあるが、どの部位に症状があるのかでアプローチ方法が大きく変わってくる。

  • 各種スペシャルテスト(前屈・後屈・回旋・Kempテスト)

椎間板、椎間関節、筋等どの組織へのストレスかを把握する

この際、腰椎を一つ一つ固定しながら実施したり、動きを誘導したりしながら実施することでストレスが生じている関節の部位を把握することも可能である。

  • 静的アライメント評価(立位)

矢状面・前額面での評価をまず実施

姿勢の特徴から過緊張部位・弱化部位等を予測し確認していく

  • 動的アライメント評価(片脚スクワット、オーバーヘッドスクワット)

動作時の脊柱・股関節等、各関節の動きはどうか?代償があるか?などを確認する。

また、痛みの出る動作がはっきりわかっている場合(打撃のフォロースルーなど)は、その動作で評価を進めていく。

  • FFD

目標は0㎝であるが制限がかかっていることが多い。

またFFDを診る際にどの部位(胸椎・腰椎・股関節)に動きの制限か生じているのか、どの部位が過剰に動きが出ているのかを推測することもできる。

 ・HBD

目標は0㎝であるがこれも多くの場合で制限がかかっていることが多い。

この評価でチェックの対象となる大腿四頭筋はアライメントへの影響、動作への影響が大きい部位であるためしっかり確認しておく。

  • トーマステスト(腸腰筋)

陰性が目標である。

この検査で確認する腸腰筋は腰・骨盤・股関節への付着があることからアライメントへの影響が大きく、腰痛で問題部位となることが多い筋である。

  • 股関節屈曲、回旋ROM

股関節周囲筋(大殿筋、中殿筋、小殿筋、梨状筋等)の可動域を確認する。

腰部の筋への影響だけでなく、股関節の回旋機能・安定化機能にかかわる重要な部位となる。

股関節の回旋運動不良による腰部の過剰回旋運動が引き起こされることが多いため股関節の柔軟性は非常に重要な要素となる。

  • 胸椎伸展、回旋、前後屈テスト(四つ這い)

脊柱の中でもmobilityの高い部位である。

野球での回旋動作において股関節同様、重要な要素となる。

ここでの可動域がないと腰部のみならず頸部への症状の原因ともなる。

 

種類は多いが上記の項目を評価し機能低下部位を特定していく。その結果から、機能低下部位と実際動作の中でも機能していない部分かを確認し、一致していれば治療介入に入っていく。

改善方法

cat & dog ex

・胸椎伸展、回旋ex

・コアex、呼吸ex

・腸腰筋、大腿四頭筋ストレッチ

・臀部ストレッチ

・スクワット などなど

 主に上記のエクササイズを指導することが多いが、その人の生活や競技特性に応じて内容を決定していきながら姿勢・動作の改善を進めていく。

まとめ

今回野球選手の腰痛へのアプローチについて説明をさせていただきました。

腰痛は、野球選手に限らず、さまざまな競技で問題になることが多いと思います。

その際、評価・治療を進めるうえで大切になってくることは、

・どの種類の腰痛なのか評価する

・競技特性を理解し原因を推測する

・評価内容と実際の動作を比較する(機能低下部位と動作で機能していない部位がリンクしているか確認)

・セルフエクササイズ、セルフチェックの項目を指導する

の4つがポイントだと考えております。

 

腰痛に悩む選手がいなくなるよう、これからも障害予防、再発予防を目標に治療、トレーニングを進めていたいです。

 

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