足首を骨折してしまったら、手術療法だろうと保存療法だろうと
患者さんはリハビリを当然すすめていきます
以前の記事の記事
で、話したように一言に足首の骨折と言っても治療方針はさまざま
だから当然、リハビリもさまざま
一つひとつ確認していきましょう
目次
ギプスによる保存療法の場合

ギプスが外せるまで約6週間かかることが多くて、Xp所見で仮骨形成が確認された後にギプス除去
ここから可動域訓練や荷重をかける訓練が始まっていきます
手術療法の場合
プロトコルは
- 単果骨折
- 両果骨折もしくは対側靭帯損傷を伴う単果骨折
- 脛腓間固定を必要とする骨折
以上の3つに分類してすすめていきます
Dr.に後果骨折を伴う場合を確認したところ
- 手術で操作を加えないことがある
- 果部骨折において最後の方に骨折する場所である
ということから全体バランスの中で考えた方が良いとのことでした。
リハビリを進める上で注意する点

プロトコルは損傷程度・手術内容・患者背景によって異なります
脛腓靭帯結合に対するscrew固定の有無
screw欠損・ゆるみリスク回避のため、原則抜去後に部分荷重を開始
「6週でscrew抜去」がスタンダードですが
近年では6週では修復しない脛腓間靭帯損傷がある
ことが分っており、議論の余地がありますね
三角靭帯断裂の有無
内側の損傷形態が内果骨折ならば、screw固定によって三角靭帯は温存されてる。
ただ、損傷形態が骨折+三角靭帯損傷なら
3週程の固定期間を設け、ROMはしばらく行わないことが多い
後果骨折の有無
内・外果と異なり荷重を直接受けるため、screw固定をしていても骨片転位のリスクがある。
そのため、約6週は免荷とすることが一般的
骨強度
骨粗鬆症・糖尿病などが既往にあれば、手術を行っても十分な固定性が得られないことがあり、注意がいります
スポーツ復帰に向けて

競技復帰は骨癒合期間(教科書的に下腿骨化期間は約8週)を考慮し、術後12週が目安となります
細かく見ていけば
- 骨折部に転位があったなら、靭帯損傷が関わってくる
- 腓骨骨折においては、レクリエーション・競技レベルでは平均6.8±2.4週と報告したものもある
2つ目の競技復帰については、腓骨が基本的には荷重を受ける骨でないことが関与してるのだと思います。
ただし!
腓骨も全体の10%くらいは荷重に関与している
ので注意は必要です
可動域訓練

初期は底・背屈から開始し、癒合とともにあるいは一定期間をあけた後に内・外反も行っていきます。
内・外反の可動域が低下していると
床面に適応した足底接地が困難となり、サイド・クロスオーバーステップ時などに重心移動が制御しづらくなります。
FWB・骨癒合が認められているなら正座・しゃがみ込みといったFull ROMへ拡大していきます。
ちなみに僕は以前に中学生の内・外果骨折のケースで6週で正座・しゃがみ込みを獲得しました。
後日Dr.との会話の中では
術後1.2週での骨強度は子どもと高齢者ではあまり変わらないが、その後子どもは急速に進むから4.5週過ぎれば良いよ
とのことでした。
部分荷重
1/2PWB以降ではスクワットができるようになりますが、膝と足趾が同一方向かは必ずチェック
- いわゆるKnee-in toe-outの修正
- 足部に回旋ストレスが加わらないようにするため
アスリハの入口はまずはジョギング。
基準はカフレイズがfull rangeで1回しっかりと行えるかということ。
理想は長腓骨筋・後脛骨筋のクロスサポートメカニズムがちゃんと機能していることです。
*骨端線損傷を併発している場合も基本的に骨癒合が認められていれば、ジョギングはOKですが、内果骨折で内反しているなど場合によっては気をつける必要があります
アジリティやジャンプトレーニングへ移行するための明確な基準は存在していません。ですので、運動後の炎症所見や内・外的な不安定感、片脚起立や周径、跳躍能力など総合的な判断が必要となります
まとめ
以上が足関節果部(脱臼)骨折のリハビリについてでした
いろいろと書いたけど、大切なことは
- 損傷形態の把握
足関節果部(脱臼)骨折と一言で言っても、骨折数・部位、靭帯損傷の有無などさまざま。
適切なリハビリを行っていきましょう!
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