アキレス腱断裂とリハビリ!気をつけるべき2つのポイントと6つのチェック項目!

リハビリにリスクはつきもの。だから、自信をもって安全にリハビリをすすめていきたいですよね!

この記事ではアキレス腱断裂のリハビリについてお伝えします!

アキレス腱断裂の病態などはこちら!

リハビリ目標とリスク管理

 

リハビリ目標
  1. 可動域・底屈筋力の改善と、早期の日常生活や競技への復帰
  2. 術後の歩行を理解して、改善する

 

歩行に関してはアキレス腱断裂だけじゃなくて、他の疾患でも一緒ですよね!

伸びない・曲がらないからと言って、可動域など機能面ばかりに目を向けていてはだめ。

1単位あるいは2単位なんて、1日24時間のうちのほんのわずかな時間。そのときは良くなっても、次回リハビリのときには元に戻ってしまっている…

こんな状態ではリハビリの進行は遅れてしまいます。ADLやセルフケア・トレーニングへの介入も大切で、能力面にもアプローチをしていく必要がありますね。

 

リスク管理
  1. 縫合腱の延長(elongation)
  2. 再断裂の回避

術後から当面の目標は、しゃがみ込みや正座、踵上げができるようになること!

術後の正座獲得時期は4.6±1.9週、しゃがみ込み獲得時期は11.1±3.7週今屋ら 2017
片脚ヒールレイズ獲得は13.3±3.5週今屋ら 2017

 

だからと言ってやみくもにリハビリを進めるのは良くない。なぜなら、アキレス腱の延長や再断裂のリスクがあがってしまうから。

だから、病態の記事でお話したように腱の修復過程をしっかりと把握しておきましょう。

 

👇病態の記事はこちらをどうぞ!👇

アキレス腱断裂の原因は?症状は?リハビリをする前におさえておきたいポイント!

断裂が起こりやすい時期は3つ
  1. アキレス腱装具の角度変更をするとき
  2. ギプスや装具がはずれたとき
  3. ジョギングが始ったとき

 

あとで説明するけど、 「リハビリを本当に次のステップに進んでいいのか」を経時的にチェックをするクセをつけることが大切 

 

  • こけたり、階段を踏み外したりっていう日常生活上でのアクシデント
  • 歩行で、術側の足を非術側より大きく前に振り出してる

こういうことでも再断裂につながるから、患者さんへの説明はくどいほどしてた方が良い。

スポーツ活動中に断裂した若い人なら1度で理解して行動してくれるけど、高齢者の場合はそうもいかない。

しかも術後に補高してるとバランスが取りづらくなって余計に危ない。

リハビリ(保存療法)

年齢・性別・スポーツレベルは関係なく、全例適応。ですが、病的断裂や陳旧例はちがいます

なぜかというと、 陳旧例だと断裂腱が周囲組織と癒着したり、退縮して足関節底屈を強制しても腱の接近が認められなくなる から!

 

だから、固定肢位は保存療法だと最大底屈位での固定が鉄板!

 

過去の再断裂率を比較すると、

固定角度が自然下垂位では平均10.5%、最大底屈位では平均4.4%。腱断端の接触が再断裂率を低下させている藤井ら 2009

 

保存・手術療法間で成績に有意差はないって前の記事で説明しましたが、治療期間はやはり保存療法が長い傾向にある印象…

たとえば可動域。

可動域訓練が開始された3週目で保存−10±11°/手術−3±9°、リハビリ終了時15±3°/15±5°、リハビリ終了期間24±5週/19±12週とし、保存療法が可動域改善は緩やかで、治療期間も長期になるとするものの、最終的な可動域に差はない清水ら

2次障害や再断裂防止など、リハビリを行っていくうえでチェック項目は統一されるべき。

MRIやエコー画像を使えたら理想的だけど、簡単に行えるものとしてはこちら。

経時的にチェックしたい6つの項目
  1.  Thompson’s test
  2.  陥凹の有無
  3.  炎症所見
  4.  痛みの有無
  5.  足関節自然下垂角
  6.  底屈ラグの有無

 

時期的な進行目安は

  • 3ヶ月で両脚カフレイズ
  • 5~6ヶ月で患側カフレイズ
  • 8ヶ月でスポーツ復帰
最近はもっと早くなってる傾向にあります。

リハビリ(手術療法)

感染リスクが高い皮膚汚染がなかったら適応。術後固定角度は健側自然下垂角より、やや底屈位で固定することが多い。

 

手術は新鮮例だと

  • 切開縫合術
  • 経皮縫合術

陳旧例なら

  • 再建法

 

陳旧例と新鮮例の術後リハは同じですが、 陳旧例ではふくらはぎの筋力回復にはどうしても時間がかかってしまう 

反対に、可動域は比較的良好なケースが多いようです。

 

断裂がアキレス腱付着部の場合には2つの問題を意識しておかなければいけません。
  1. 腎不全や糖尿病の影響で、腱の脆弱生が基盤にある
  2. 骨面からの血行が少ない

 

通常のプロトコルから遅らせるのが良いのかなと思い、調べたところ以下のような報告がありました。

通常のアキレス腱断裂プロトコルから3~4週ほど遅らせて理学療法を進行したが、良好な結果であった

可動域ex

 

術後しばらくはギプス固定なので、拘縮予防がメイン。足趾運動や足関節等尺性収縮の指導をしっかり行なっていきます。

そしてギプスが取れたときに、可動域訓練の張りきり過ぎには御用心。

腱はそもそもそんなに伸張する組織じゃないし、無理なエクササイズは本当にあぶないです。

 

周りの組織をやさし〜くほぐす。アキレス腱と周りの組織の癒着をとっていく。

当然、可動域exはじめた直後は背屈はでない。でも、あせらない。じっくりいこう。

背屈運動をするときは、座位など膝屈曲位で、自動で行うなど配慮してね。

 

アキレス腱周囲をほぐす以外にも、踵骨下脂肪体へのアプローチがおすすめ!

足底腱膜とアキレス腱と連結する脂肪体で、歩行時のクッション作用にもなります。足関節脱臼骨折のときにも使えます。

筋力ex

 

セラバンドやカフレイズで底屈筋力を少しずつ賦活させる。カフレイズだったら可動域exと同じで座位からスタートさせます。

立位カフレイズなら腕の支持だったり、体重計での荷重管理をお忘れなく。

https://twitter.com/You1614/status/999967059659309056

アキレス腱断裂後のふくらはぎ筋力低下は2つのことが指摘されています。
  • 固定に伴う筋萎縮
  • アキレス腱の延長

 

パラテノン断裂があれば、ない場合と比較して延長が進行しやすく、底屈不全になりやすい。術後運動療法を進めていく上で確認しときたい術中情報ですね。

血腫や筋機能低下で踵が内反してたり、外反してることがある。

伸張されてる側のアキレス腱は伸張ストレスにさらされて、痛みをだしやすくなるから、そういった点でも筋機能は改善しておきたい。

 競技復帰に向けて下腿最大周径は左右差0.5cm以内。 

歩行

ヒールリフトが遅れて、骨盤に対して上体を前傾させた姿勢での歩行が特徴

 

患側足底圧は健側に比べ踵部の荷重時間が長く、足底圧ピーク値も高かった倉田ら 2008
踵中心の歩行はスムースな重心移動を邪魔して、ふくらはぎの筋活動を抑制してしまう。
ヒールリフトの遅れは、足関節背屈角度を大きくさせて、アキレス腱の伸張痛や再断裂の原因になりえます

競技復帰時期

目標は術後6ヶ月で完全復帰!

  • 術後3ヶ月くらい → 片脚カフレイズを獲得後にジョギングを開始
  • 術後4ヶ月くらい → ジャンプ系の運動へ
この時期だと、MRI上でも腱組織がしっかりしてくる頃だから、運動強度を上げていこう。
  • 術後5ヶ月くらい → MMT5を獲得していれば、片脚ジャンプや複雑な運動など徐々にスポーツ復帰に向けた運動を開始

 

動画解説

こちらの動画は知り合いの佐藤くんがyou tubeで配信しているもの。

 

*タップするとチャンネルへ移動します

佐藤くんも僕と同じ理学療法士で、SNSでリハビリセルフブランディングについて発信しているので、興味がある方はぜひフォローしてみてください

 

まとめ

以上、アキレス腱断裂のリハビリとそのポイントでした!
  • リハビリはアキレス腱の延長と再断裂の2つに気をつけよう
  • リハビリの進行は6つのチェック項目を確認。 Thompson’s test、陥凹の有無、炎症所見、痛みの有無、足関節自然下垂角、底屈ラグの有無
  • 歩行の特徴を捉える

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ABOUTこの記事をかいた人

理学療法士 and PRピラティスインストラクター and 陸上教室トレーナー! 病院は急性期総合病院でスポーツ・整形疾患を中心にリハビリをしています!